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国際共同研究プロジェクト

世界複合遺産ティカル総合プロジェクト

 世界複合遺産「ティカル国立公園」は、中米グァテマラ共和国の北部に位置しています。文化遺産としてのティカルは、古典期マヤ文明(紀元3~10世紀)を代表する古代都市遺跡であり、測量調査がなされた中心部16平方キロメートルだけで3,000を越す建造物址が確認されています。一方、自然遺産としてのティカル国立公園は、約576平方キロメートルの範囲をもつ熱帯雨林地帯であり、メキシコからグァテマラにわたって21,000平方キロメートルの範囲を超えてひろがる「マヤ生物圏保護区」の中核地帯となっています。ティカル国立公園には、これまでの調査により、352種類の鳥類、100種類をこえる哺乳類、25種類の両生類、ワニ、亀、トカゲなど105種類、ヘビ50種類の爬虫類、チョウ535種類などが確認されており、生物多様性が保存されている区域です(Parque Nacional Tikal, Plan Maestro 2004-2008)。
 グァテマラにはティカルを初めとする古代マヤ文明の巨大な都市遺跡が数多く存在しており、いまだ密林の中に数多くの遺跡が眠っています。グァテマラ政府からの要請により、2005年度から国際交流基金文化協力(主催・助成)事業として、4年間にわたりティカル国立公園の現状診断調査と協力可能性調査が行われ、その結果を受けて、センター客員教授中村誠一の主導のもと、2010年度に日本の政府開発援助(ODA)の一つである文化無償資金協力のスキームをつかって、「ティカル国立公園文化遺産保存研究センター」の設立が両国間で合意されました。この保存研究センター建設は、外務省、国際協力機構(JICA)、国際交流基金、日本の大学研究機関などが一体となってマヤ文明の遺跡を有する中米各国の文化資源の保存と活用を支援する広域協力計画の中心的事業です。この計画に金沢大学国際文化資源学研究センターが日本の大学研究機関の代表として参加するべく、2011年6月、金沢大学はグァテマラ文化スポーツ省文化自然遺産副省と「交流協定書」を締結しました。さらに同日、ティカル遺跡の調査や修復、保存と活用を主目的に据えたプロジェクトの形成に向けた「覚書」を人間社会研究域と文化自然遺産副省の間で締結しました。今後は、この覚書に添って双方の準備が行われ、2012年度にはティカル国立公園の「北のアクロポリス」をプロジェクト候補地として測量調査が開始される予定です。
 先に述べたように、ティカルは世界自然遺産でもありますので、将来的には、環境研究を含む熱帯雨林保全、特殊動植物相の研究、新薬の開発研究につながる熱帯微生物の研究等、理工系、医薬系の調査研究を含めた「ティカル総合プロジェクト」へと発展が期待されています。

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