形態文化資源部門

 本部門では、景観・遺跡・各種建造物・絵画・彫塑・工芸など、ある特定の形態をもって存在する文化資源、すなわち有形の文化資源に関する調査・研究・保護・活用に取り組んでいます。具体的な研究分野としては、美術史・工芸史・考古学・建築史・景観史・文化財学・博物館学などの諸領域を含みますが、各領域に固有の資料的・方法論的制約を超えた多角的・包括的な研究を展望しています。調査研究のフィールドも広く、アジア、ヨーロッパ、およびアメリカ大陸にまたがります。その内容も多岐にわたり、文化資源それ自体の発掘・保存事業から、教育・利活用分野の人材育成までを視野に入れています。こうした理念の下、「稲作と中国文明」「ヨルダン考古学研究・教育連携プロジェクト」「ベトナム公共考古学プロジェクト」「壁画診断調査に関する日伊共同研究プロジェクトの展開」「世界複合遺産ティカル総合プロジェクト(グアテマラ)」「世界遺産コパン総合プロジェクト(ホンジュラス)」などの多様な国際共同研究事業を実施し、国際文化資源学の豊かな可能性を追求しています。

伝承文化資源部門

  本部門では、言語・伝承・神話・世界観・芸能・知識・技術など、物質的な存在形態をとらない文化資源、すなわち無形の文化資源に関する調査・研究・保護・活用に取り組んでいます。物質的な形態をもたない対象のため、まずそれを記録して残すことが研究の第一歩になりますが、それを資源と見る視点から、汎人類的な有用性にも着目した活用策の検討にも力を入れています。具体的な研究分野としては、言語学・文化人類学・民俗学・地理学・宗教学・芸術学などの諸領域を基盤にしながら、研究対象の特性に応じた多角的、領域横断的なアプローチを重視しています。所属スタッフの調査研究フィールドは、日本・韓国・中国等の東アジア、タイ・インドネシア等の東南アジアなどの地域をカバーしています。

文化資源情報部門

 文化資源に関わるさまざまな情報の、体系的な収集・管理・公開・社会還元を行うとともに、そのための研究・開発を行います。絵画、彫刻、建造物、考古学的遺品などの有形文化資源をはじめ、それらの画像情報、あるいは文書や史料などの文字情報、儀式、祭礼、芸能などに関する動画情報、音楽、方言などの音声情報などを、それぞれの形態にふさわしい方法で収集・整理し、効率的な管理、公開を行います。そしてそのためのメソッドを開発し、具体的な成果を公開することで、社会への還元、あるいは国際貢献を進めます。
 センターの他の二部門があつかう情報を体系化して管理することで、それぞれの研究を支援するとともに、両者の統合を図り、より包括的な文化資源研究を進めていきます。文化資源学の教育の分野にも積極的に関わり、大学院とくに留学生を対象とした文化資源情報学プログラムを提供します。また、博物館学芸員や地方自治体の文化行政スタッフなどを対象に、文化資源学に関するリカレント教育を実施し、社会貢献にもつとめます。